植物の話
2012年06月21日
イヌビワとイヌビワコバチ
ずっと気になっていたイヌビワの木。
受粉の仕方を知り、是非花嚢の中で生まれるイヌビワコバチを見たいと思っていました。
時期を逃しては、と最近は山を歩いては花嚢の中を覗いていましたが、ついにその姿を発見
イヌビワは雌雄異株で、雄株は花粉を出す前年から花嚢をつけています。イヌビワコバチが卵を産むために
このイヌビワコバチはイヌビワが無いと卵を産めないし、イヌビワはイヌビワコバチがいないと受粉ができず、実ができません。つまり両者は運命共同体。
小さいイチジクのような花嚢をつけたイヌビワは珍しい木ではないので、結構色々なところで見かけます。
もし見つけたら、首の長い雄の花嚢を開いて見てください。この時期、きっとイヌビワコバチが見つかります。もちろんルーペで覗いてくださいな。
左の端に止まっているのが雌のイヌビワコバチ。
雄もいるのがわかりますか?
黒い羽があるのが雌、茶色のが雄です。
実は雄には羽がありません。
何と!雄は花嚢の中で一生を終えます。
メスと交尾するだけで、外には飛び立てない・・・
詳しくはまだまだ細かいストーリーがあるのですが・・。
とにかく!!!植物だけでなく、虫も生き残って子孫を残すために必死です。
このようにイヌビワの仲間はみんな専用のコバチと契約を結んでいて、お互い協力して子孫を残しているそうです
イヌビワの実は秋になって熟すと黒い色になり、甘くておいしい。でも、その中には受粉に貢献した雌のイヌビワコバチが、もれなくおまけとして付いてきます